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写真で振り返る『あした、どこかで。』#11


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写真で振り返る『あした、どこかで。』#11
〜ずっとここにいれたらいいな。〜
Nikon D7100
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 5.6 1/ 1250 ISO250
2015年10月15日撮影

シリーズ第11話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

11話目は、2016年9月発売となった『あした、どこかで。2』に掲載されたこの写真を撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。


秋が教えてくれたもの

私が住む東京都のシンボルはイチョウ。

だからだと思うが、イチョウの木があちこちにある。

毎年決まっているわけではないけれど、十月中旬ともなるとイチョウの葉は黄色く染まり、辺りの景色に彩りを添える。

秋は美しい。

赤や黄色に染まった葉は役目を果たした誇らしげな姿。

そしてそれは散る前に見せる最後の輝き。

「このままだったらいいのにな。」

つい妄想を抱いてしまう。

しかり季節は次のターンに向け確実に変化をしている。


黄葉の向こうに青く高い空を見上げた時、一羽のスズメがやってきた。

スズメはイチョウの枝にとまり、何を考えていたのだろう。

空想を巡らせる。

やっぱり、私と一緒なんじゃないか?

美しく実りある季節よ永遠に続け…

そうに違いないと思った。

このエピソードは『あした、どこかで。2』に巧みに反映された。

作者であるさえぐさはなえさんも物語を進行していく中で、私に近い思いを抱いたようだ。

そしてこの言葉が生まれた。

ずっとここに
いれたらいいな

スズメ写真集『あした、どこかで。2』
ずっとここにいれたらいいな。

既に『あした、どこかで。2』をお読みになった方は、この後どう展開するかご存知だと思う。

やはり無常だ。

しかし現実は無常であるが、その時々で得た素晴らしい出来事は、記憶に刻み込まれ心に常住することだろう。

それはきっと、スズメも同じなのではないだろうか…

写真で振り返る『あした、どこかで。2』は今回で終わりです。
次回#12からは『あした、どこかで。3』について写真と共に振り返っていきたいと思います。

文・写真:うえだこうじ

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#10


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写真で振り返る『あした、どこかで。』#10
Nikon D610
SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
f/ 7.1 1/320 ISO400
2015年9月17日撮影

シリーズ第10話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

10話目は、2016年9月発売となった『あした、どこかで。2』に掲載されたこの写真を撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。


小さな鳴き声と雨音だけの世界

少し強い雨の日だった。

雲も分厚くて撮影条件は悪い。

私は撮影に出るか出ないかで悩んだが、スズメに会いたい気持ちに勝てず、お昼近くになって撮影に出る決心をした。

晴れの日ならばいるはずの散策する人たちや運動する人たちがいない。

フィールドは静かだった。

私はまず、一番近くにあったベンチに座り様子をみる。

雨のせいか姿を見せない。

でも声がする。

まるで「こっちにこいよ!」とでも言っているかのようだった。

しばらくして、私は次のベンチがある方へ歩いていった。

その近くには普段スズメたちがいる生垣があって、そこからスズメがベンチへと行ったり来たりする姿をよく見ているから、待っていたら出てくる子もいるのではないかと思った。

そんなわけで、まずベンチに座る。

どのくらいたっただろうか。一羽が生垣の方向からこちらへ飛んできて、草むらをほじくるようにして何かを探している。「何か」はきっとご飯だろうが、よく見えなかった。

私はベンチからスルスルとおしりを滑らせ、地面に蹲み込んでで様子を見ていた。

ふと気がつくと、背後のベンチに数羽のスズメがやってきた。

私はゆっくり体を捻らせた。

スズメの小さな鳴き声と雨音だけの世界。

撮影していると、一羽、二羽と飛び立っていく。

最後に一羽が残り、その子は見張りなのか雨降る中しばらくその場に佇んでいた。

満足に撮らせてもらったしこれ以上は邪魔かなと思い、座った体勢のまま少しずつ離れ撮影を終えた。

この写真を『あした、どこかで。2』で採用すると決めたさえぐさはなえさんは「(当たり前だけど)写真は音が出ない。でも音が聞こえるようなシーンを作りたかった」と言った。まさにピッタリの一枚だと思う。

さて続きのお話。

ベンチ側に向かっていた体を反転させると、そこにはまだ数羽のスズメがいた。

そこにびっくりするハプニングが発生!

スズメたちは徐々に私の方に近づいてきて、ついに一羽の子スズメが私の靴に乗ってきたのだ。

それだけではない。驚きと感激で動けない私の足を膝まで登り、そこでしばらくジッとしているのだ。そしてゆっくりと手を差し伸べたら、掌を「チュッ」と優しく突っついた。

こんなことは、はじめてだった。

残念なことに撮影はできなかった。近すぎてレンズのピント範囲外だったからだ。

信じるか信じないかはあなた次第・・・みたいな話だが、これは本当の話。

さらに、膝に乗った子スズメはその後私の膝から降りて、先ほどのベンチの方へ行き雨宿りをしながら寝てしまった。

ベンチで寝てしまったスズメ。
まだ子供みたいだ。

こんな所で寝てしまうなんて危険だと思い見守ろうと思ったが、かなり近いところにいる私の存在が返って眠りの妨げになるかもしれないと思い直し、長めに、そしてゆっくり後退りをしてその場を去った。

雨に濡れた彼岸花が綺麗だった。

文・写真:うえだこうじ

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#09


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写真で振り返る『あした、どこかで。』#09
Nikon D610
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 5.6 1/400 ISO160
2014年3月29日撮影

シリーズ第9話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

9話目は、2016年9月発売となった『あした、どこかで。2』に掲載された写真(右下)を撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。


虚心に注ぎ込まれた言葉はエネルギー

春は始まりの予感…。

とりわけ4月ともなると「新しいことが始まる感」に心が浮き立つ。

この写真を撮ったのは、まさにこれから4月!という3月末のこと。

風はやらわかく、街は桜で満ちている。

スズメたちの繁殖活動も目立ってきて、冬のころとは違い忙しそうだ。

データを振り返ってみると、この日は普段あまり行かない場所で撮影していたようだ。

私がスズメの撮影をはじめたころは、同じ場所に繰り返し通うことで「そこのスズメ」に認めてもらおうとしていた。

しかし、徐々に色々な場所で撮るようになり、どこででもそれなりの成果を得ることができるようになっていた。

もちろん全然ダメな日もある。だがそれは行きなれた場所でも同じだった。

毎度のことだが、スズメの撮影をするにはある程度近づかなくてはならない。

その方法は色々あるが、やはり「さりげなく+関心のない体」を装い、徐々に距離をつめるのが自分には合っているようだ。

この日もそんな戦法で自然体のスズメにアプローチ。

ちょうど茂みと茂みの間。草が少なくなっているところを通りかかるスズメを捉えた。

向こうも「おっ!」というような表情になったが、それが良かった。

偶然むかしの友達と出会ったような…

1人と一羽の間に春風が吹いたような…

そんな気持ちになった。

瞬間、脳裏をよぎる言葉があった。

“どこからでも始められるよ”

迷っていた。

人生を積み重ねると、今さら無理と思うことも多い。

諦めてしまうものが多くなる。

しかしこの言葉を“感じる”ことができたおかげで

「ヨシ!まだこれからだ!!」という気分になれた。

『あした、どこかで。2』で「そこから始めればいいんだから。」というシーンがあった時、是非この写真を使って欲しいとしつこくお願いした。

だって、撮影した時に感じたことと重なると思ったから。

人間だから、日本人だから、春とか4月とか、そんな概念に囚われて生きている。

それがそもそも“この感覚の源”なのかもしれないが、スズメを介して「どこからでも」と言い換えられた。

そうだ、そうなんだ!

生き物は死ぬまで生きる。人間も同じ。だったらいつだって、どこからだって始めていいんだ。

もう歳だとか、いつ終わるとか、そんなの余計なことなのだ。

スズメたちは精一杯生きている。

失敗の多い人生ではあるが、私も死ぬまで精一杯生きたいと心より思う。

文・写真:うえだこうじ

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#08


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サクラチル。
写真で振り返る『あした、どこかで。』#08
Nikon D610
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 5.6 1/200 ISO1250

シリーズ第8話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

8話目は、2016年9月30日発売『あした、どこかで。2』に掲載された、桜散る4月に雨の中で撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。


雨の中スズメと共に見た
桜を私は忘れない

ソメイヨシノの季節は短いというのに、雨や曇りの日が多い。

自然の写真を撮るのだからそれもまた良いが、何となく「晴れてくれ」と願ってしまう。

しかしこの日も雨だった。

ニコンのサービス(NPS)の窓口の人に、雨中はレインカバーを付けないと、スイッチ類から不意に浸水してレンズがダメになるよ。と笑顔で脅されていたため、一応自前の望遠レンズに合うレインカバーを装着して外に出る。

しかし私の撮り方が悪いのか、どうにもしっくりこないので結局カバーを外して撮影を続行。

雨脚はどんどん強くなっていく。

実際問題としてスズメもいなくて、もうこのくらいにしておこうかと思ったが、一応最後にあたりを見回してみる。

すると大きな桜の木の下で小さな影が動いている。

スズメだな。

直感でそう思った私は、そのスズメから影になる位置に大きく回り込み、桜の幹に隠れるように接近した。

幹に一度寄り掛かりそっとレンズを出してみると、やはり一羽のスズメがいた。

最初は高い位置から撮影していたが、こちらをあまり気にするようでもなかったので、一度木の裏に身を潜めてから体勢を低くして、もう一度覗き込む。

何かそこに食べ物でもあったのか?

ずぶ濡れになって地面をほじくり、時おり顔を上げ周りを見回す。

その顔を上げた時の表情がたまらなく切なかった。

花見にも色々あるが、雨の中スズメと共に見た桜は、私の心の奥に深くしみた。

因みに、この時使用したニッコールレンズは、かなり雨に濡れたが無事だった。

文・写真:うえだこうじ

撮影同日の別カット

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#07


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あした、どこかで。2 裏表紙
OLYMPUS E-5
SIGMA 150mm F2.8 MACRO HSM
f/ 5.6 1/800 ISO200

シリーズ第7話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

7話目は、2016年9月30日発売『あした、どこかで。2』の裏表紙に採用された子を撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。

あした、どこかで。2裏表紙
『あした、どこかで。2』の裏表紙。

写真家の思いと作家の思い…
ふたつが重なり合った一枚

『あした、どこかで。2』の裏表紙に採用された子を撮ったのは、秋も深まりをみせる10月26日のこと。私のテーマである「足もとの自然」の中からスズメをクローズアップした1st写真集を出版したばかりの頃だ。

当時はスズメの写真集が売れるとは思っておらず、「売れたらいいな」くらいにしか考えていなかった。そして次はどんな書籍・写真集を出せるかな? などとあれこれ思いを馳せ、日々撮影活動をしていた。

スズメの写真だけでなく、その周辺に共存している自然も私のモチーフ。しかしスズメの写真を撮りながら花や蝶を思うように撮影するとなると機材が増える。

しかしそれはそうなのだが、重く嵩張る機材を増やすのは撮影環境とマッチしない…。

という悩みから、当時はSIGMA 150mm F2.8 MACRO HSMをOLYMPUS E-5に装着し、好んで使っていた。

これならボディ×1、レンズ×1で換算300mmの望遠からマクロも使える。

正直にいうと、スズメを撮る場合せめて400mmくらいは欲しいのだが、そこは接近テクニックを駆使してカバーだ。

裏表紙の子に出会ったのは、まさに花や蝶にも取り組みながらそんな試し撮影を精力的に行なっていた頃だった。この子は私の話にはよく出てくる「小さな森」にいて、周囲を囲む茂みからゴソゴソっと姿を表してくれた。

「小さな森」というのは、公園の通路の脇にある人工のもので、そこはコブシ、サクラ、ハナカイドウ、モッコウバラ、ヤマボウシなど様々な花が咲き、秋にはイロハモミジなどの美しい紅葉がみられる場所だ。

この子を上からではなく下から撮りたい。

私は後ろにさがる動作をしつつ体勢を低くした。

木に止まっていればそれは当たり前だが、地上にいる時にそれをやりたい。そう撮ることにより、スズメという小さな生き物の「強さ」が表現できるのではないか?

そう思ったからだ。

この写真を裏表紙に決めたさえぐさはなえさんは選んだ理由として

「時には周囲に左右されない“強い心を持つことが大事だよ」という意味を伝えられる写真だと思った

と語った。まさに私が撮って伝えたかった思いが届いた気がした。

一見小さく可愛いスズメだが、観察していると力強い生命力をひしひしと感じる。私はそれに敬服し、その思いを写真に撮った。そしてそれが『あした、どこかで。2』に込めた作家さんの思いと重なったのだ。

こんなに嬉しいことはない。

文・写真:うえだこうじ

撮影同日の別カット

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#06


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あしたどこかで2表紙
NIKON D7100
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 6.3 1/500 ISO250

シリーズ第6話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

6話目は、2016年9月30日に発売された『あした、どこかで。2』の表紙に採用された子を撮影した日のエピソードや表紙についての思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。

あしたどこかで2
あしたどこかでの登場から1年で誕生したパート2。矢継ぎ早の出版だったが、写真・物語ともに強化され、多くの方々より高い評価をいただいた。

試行錯誤の成果を
表紙として使って欲しかった

2015年の9月に1stが発売され、その一年後にはそのパート2を販売するという…

私は当初、『あした、どこかで。2』の制作〜販売は、まだ早すぎるのではないか?と反対した。1stは売れ続け、まだこれからという思いがあったし、パート2と言っても何をするのか私には掴めていなかった。しかし、会社が好んで私のスズメ写真を本にしてくれるというのだから気持ちは嬉しかったし、内容は私が頭を悩ますことなく、作家さんサイドから素早く「骨格」が提示されたので、それではやるか!ということになった。

表紙の子で思い出すのは、とにかくピントが合わなくなるほど近づいてくる子だったということ。

私が使ったニコンのレンズ、AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VRの最短撮影距離は1.75m。だがマニュアル操作なら1.5mまで近づいてもピントは合う。このレンズ&ボディは目一杯ズームした状態で距離基準マークからレンズフードまで約40cmほど(Nikon D7100は約39cmだった)なので、フードの先端からなら約1.1mの距離まで近づいて撮影することができる。しかしそれ以内に入り込まれるともう眺めているしかない。

近づいてきたあの子は、
羽毛をブワっと膨らませブルッと体を震わせた。

スズメ写真としては「やや遅めのシャッタースピード」で捉えたので、速い動きが流れて写り、ちょっと面白い写真になっている。本当は少しワイドに撮ったほうが正解だが、表紙に使うためのクリアランスなどの「事情」をクリアした上で、インパクトのある一枚という意味ではうまくいったと思う。

それにしても、わざわざ近づいてきてこんなことするのは何故?とは思うが、実はこの子の後方はスズメたちの「砂浴び会場」となっていた。

砂浴びをして満足したぞ!
アンタもどう?って感じなのかもしれない。

現在進行形ではあるが、当時は特にスズメに近付くための方法を模索していた。そしてアップで撮ることも。

それでどうするのか?

私はスズメと心で会話をする。

本当に話せる訳ではない。

が、何か言葉が跳ね返ってくるのでそれを感じるようにしている。

例えば、お地蔵様やご先祖様にお参りすると何か語りかけてくるようだという人がいる。

私はスズメからそういった「何か」を感じたりしている。私の中の「無意識な自分」が、愛してやまないスズメを媒体にして語り掛けてくる感じ。

少々オカルトじみてはいるが、私にとってはそれがたまたまスズメだったというだけで、同じような思いや体験をした方は多いのではないだろうか。

話の内容は他愛のないものが多いのだが(笑)

せっかくのパート2の表紙なので、写真だけでなくスズメとの交流の中で得た様々な成果をカタチにしたいと思った。その中で今回はあの子が良いと心に決めていた。

会社の方としてはもう少し「スズメ感」のある可愛らしい写真を望んていたようで、私が推したこの写真は市場にはまだ早いのではないかと言われた。

ただ、深くスズメと親しむ人たちからの評価はいただいたし、努力の成果でもある一枚が表紙となったので私の満足度は高い。

当時の私は王道をゆく野鳥写真とは違う方法でもスズメの写真を撮れないか?と考えていた。

1番はスタンス。できるだけ通行人のように振舞うこと。その中で待ち構えたり、ゆっくり追いかけたり…。分かりづらいかもしれないが、私はロケ地を回遊魚のように回り続けて撮る。

2番目は機材。機材はできるだけ小型が望ましい。そして特別なものではなく一般的な機材がいい。本当は最高の機材で撮りたいところだが、経済的に無茶な話というだけではなく、人が多い場所では「さりげなさ」が重要なので、できるだけ目立たない機材がいい。

その方法は一定の成果を上げたが、その中でハイクオリティを維持し続けるのは大変だった。

機材に関してはスズメに対する配慮という点でも小型化が望ましいと思っていたが、試すうちに慣れたスズメに対してはあまり効果がないことも知った。機材云々以前に彼らの「ゾーン」に入れてさえもらえれば、どんなカタチでも撮れると今では思っている。

まぁ、そのゾーンに入ることが難しいのだが。

たかがスズメ、されどスズメ。

簡単なようで難しい。

でもそれでいい。それ、だからいいのだ。

文・写真:うえだこうじ

撮影同日の別カット

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#05


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雀の写真(冬・12月)
NIKON D7100 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 6.3 1/1250 ISO320

シリーズ第5話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

5話目は、2020年4月22日に愛知・三重・岐阜の三県で放送されたCBCテレビの『チャント!』でもチラッと映ったこの一枚(TOP画像)の裏話を当時の記録と記憶を辿りながら語っていきたい。

スズメ写真集『あした、どこかで。』
作中では小さな扱いだったが(右上の写真)テレビ放映後の反響は大きかった。

一緒に遊んでる気分で
撮った会心の一枚!?

記録によると、この写真を撮ったのは2014年12月31日、大晦日。

え〜!? 大晦日までスズメ撮りに行ってるの? と思う方もいらっしゃるかも知れないが、

ほぼ毎年行っている!

一年のお礼というか、感謝というか…とにかく「今年一年ありがとね!」という気持ちを(なんとなく)伝えたくて。それに正月は飲んだくれてしまうことも多いので、新春初撮影は早くて1月2日、遅いと5日くらいからになってしまうから、お礼参り的なことは大晦日にと決めている。

雀の写真(冬・12月)

都心でも1月も間近になるとさすがに葉を落とした木々ばかり。その分落ち葉はたっぷりあって、そんなところにスズメたちは集い何やら探している。

幸いスズメたちがいる場所は日向だったので、いつものように太陽を背にしつつゆっくり近づいて撮影を開始する。

カメラを構えファインダーから見ていると、まるで雪遊びをする無邪気な子供のようじゃないか!

彼らは降り積もった落ち葉の中でそれを掻き分け、潜り、巻き上げ、時にキャッキャと声を上げ、中には小競り合いを始める子達もいたりした。

その光景に接し、私はだんだんスズメの世界に引き込まれて行った。撮影しながら私も一緒に遊んでいる気分になってきた。

まるで雀のお宿で舞や踊りを見ているようだ。

「チュリッ」と声がすれば「お!歌まで披露してくれるのかい?」といった具合で、私の頭の中は完全にトリップしてしまった。

いろんな写真が撮れた。どの子も絵になるので、とにかくたくさんシャッターを切った。

そんな中一番のお気に入りが、『あした、どこかで。』に収録され、今回の一枚ともなったこの写真。

なんとこの子は葉っぱを頭に被っている。阿波踊りの踊り子さんのように。

可愛いじゃないか!

〜一年のお礼に来たはずのおじさんは、またもやたくさんのの宝物をもらい、スズメに感謝して楽しい新年を迎えましたとさ〜

ちゃんちゃん♪

文・写真:うえだこうじ

スズメ写真集『あした、どこかで。』

撮影同日の別カット

写真で振り返る『あした、どこかで。』は今回が最終回。
次回は『あした、どこかで。2』について振り返っていきたい。

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#04


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写真うえだこうじ
スズメ写真集『あした、どこかで。』に採用された一枚
NIKON D610 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 5.6 1/640 ISO250

シリーズ第4話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

4話目は、秋雨が降る中で撮影したこの一枚(トップ画像)。ベンチの背もたれに止まったスズメが作中で語った言葉「こんな雨の日まできたの?」の裏話を当時の記憶と記録を辿りながら語っていきたい。

『あした、どこかで。』
おやおや、こんな雨の日まできたの?
私が撮影時に感じたことも物語にも巧みに組み込んでもらってます。

ハプニングは絆を深める
絶好のチャンス!?

この写真が撮影されたのは2014年10月13日月曜日のこと。前日はイベントがあったらしく、いつもの場所が少々荒れていたような記憶がある。

雨は基本的に小降りだったが、時折強くも降った。

撮影環境として雨の日は決して良いとは言えない。しかし雨のムードというのは好きで、スズメの撮影を始める以前から雨が降るとウキウキした。

でも当時は雨具などの防雨装備は傘くらいしか使っておらず、その傘も撮影中は畳んでしまうので、頭のてっぺんから爪先までずぶ濡れになるのが常だった(今はレインコートや雨に強いブーツを使っている)。

…!

おっと、長くなりそうなので(汗)雨の日の装備についてはまた別の機会ということで、話を進めていきたい。


撮影同日の別カット


さて、雨の月曜日。

本来なら休日の喧騒から一転して静かな場所となるはずだった。しかも雨の日だ。

しかしどうも騒がしい。何が?と言えばスズメがである。

いつもの場所で警戒音を鳴らすスズメたち。というよりも「木」が鳴いているような状態…。

スズメは様々な木々に隠れ鳴いているのだ。

何事かと思ったが状況は不明。私の姿を見てとりあえず顔を出すスズメもいた。

出てきた子たちを撮りながら歩みを進めると、なぜ騒いでいるのかが分かった。

タカだ。タカが飛んでいる!

びっくりしたが、よく見るとそのタカは鷹匠さんが訓練のためか何かで連れて来た子だった。

しかしスズメたちにはそんなこと関係ないのだろう。

とにかく警戒音の大合唱。

スズメは外敵から身を守るために人間をうまく利用する、と言われている。

少々馴染みとなっている私(人間)を利用しようと思ったのか、木々をつたって追ってくる子もいた。

こんなハプニングは滅多にない。ここで存在を印象付けられれば今後さらに…とヘンテコな野心が芽生え、私は撮影を止めスズメのための防衛ラインになろうと思いついた。

しかしどうすれば?

考えついたのは、ただそこに大人しくいること。しかも自然にゆっくり動きながら。

いつも通りということだ(汗)

こうしてしばらくタカ&鷹匠さんvsスズメ&すずめおじさんという図式で時を過ごした。

しばらくして…

鷹匠さんがその場所を去り、スズメたちも静かになった。どこかへいく子も増えてきた。

さて、濡れて寒くなってしまったが、私も撮影再開。

「スズメが鳴く木」を去り広場の方へ。そこにはベンチがあるので

ちょっと座ろうと思った。

まだ私を追ってくる子たちがいることが目の端で分かった。といっても犬が追いかけてくるような感じでなく、遠巻きにしている感じだ。

さてベンチのそばまで来たが、そのときふと思った。

お尻が濡れる!

雨具なしですでにずぶ濡れではあるが、お尻周りは死守していた。ここでベンチに座ればそこも浸水、どうするか…

と逡巡していると、遠巻きに私を追ってきたと思われる数羽のスズメたちがフワッと現れ、ベンチの背もたれにとまった。

スズメは何しに来たのか?

見たところ安心しているようにも見えない。

でもこっちをみている。警戒されたか? ではなぜ近づいてくるのか?

私はいつものようにそっと構え、そのスズメを撮った。

そのレンズ越しに

「こんな日まで来たのか? 物好きだねぇ」

という声が聞こえてきた。

私をどのような存在と見ているのか、その真実は分からない。

でも、ベンチの前で佇むずぶ濡れ状態の私を心配してくれたのでは? と思ったりする。

もしかしたら、タカの一件でスズメに利する行為をした(と思う)私への何らかの

好意的な意思表示なのか!?

スズメが背もたれに止まったせいもあるが、どちらにせよ私はベンチに座れず(笑)その横で立て膝になり写真を撮ることになった。膝から下は泥だらけになったが、

お尻は死守した(笑)

それは数分の出来事。すぐに彼らはどこかへ飛んで行った…

文・写真:うえだこうじ

スズメ写真集『あした、どこかで。』

撮影同日の別カット

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#03


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f/ 5.6 1/60 ISO250

シリーズ第3話

うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

3話目は、『あした、どこかで。』の作中に止まらず、写真作品“夏の終わりは秋の始まり Ⅱ”としても販売しているこの写真(トップ画像)について、撮影秘話や思い出などを書き綴る。


新機材への期待と作品への渇望が
いつもと違う結果を産んだのか!?

この写真は2013年10月19日に発売されたNikon D610を導入したばかりの頃撮影したもの。日付けをみると11月2日とある。

いつもは朝といっても太陽がかなり登ってから撮影をするのだが、この日はどうしてか夜明け前に家を出て公園の森から出てくる朝陽を撮っている。

まだ『あした、どこかで。』のプランの「プ」の字もない頃。一体何を考えていたのかは思い出せないが、新しい機材への期待とそこから生まれる(かもしれない)新しい何かを求めての行動であったのだろう。

11月といえばもう冬と思うかもしれないが、私の住む地域では秋の中ごろ。見る場所によってはまだ夏の名残りさえも感じることがある。実際にモミジの紅葉など、遅い年では12月中旬になってからようやく本格化する場合もある。

ところで、『あした、どこかで。』も販売している他の作品も、基本的には現在妻となったさえぐさはなえさんが写真を選んでくれるのだが、彼女はこの写真を見て晩夏初秋の頃に感じたようだ。採用の際にデータを見せて「11月だよ」と言ったが、暦の正確さよりもあくまで見た目の印象との判断基準を伝えられ、私もこのケースではその通りだと納得した。

午前6時台の公園は野鳥を撮る環境としては暗い。小さく素早いスズメをちゃんと撮るとなれば尚更だ。当日のデータを見てみると、スズメに関してはお見せできない哀れな失敗カットがたくさんあった。

何に固執していたのか?

もう少し柔軟に撮っていれば…。

しかし、風景を撮りに来てたのであれば少しは納得がいく。

さて写真のスズメが写っている場所は、ここを訪れると一度は立ち寄るポイント。確か桜(ヒカンザクラ)やヤマボウシ、コブシなどの木々が立ち並ぶ場所だったと記憶する。

見てわかるように太い幹にちょこんととまって、あまり動かないでいてくれている。

それにしても1/60というシャッタースピードはゴイサギを撮るんじゃないんだから(汗)という遅さ。三脚を使ったってキョロキョロする被写体がねぇ…という設定。

でもこの子はよく協力してくれた。しかもギターピックみたいなフォルムで可愛い!

早朝の景色を撮りに来て、いつものような「スズメを撮るぞ!」というテンションではなかった。しかし逆にそれが功を奏し、当時としてはあまり考えていなかった風景を取り入れた「アート的な写真」を生み出すことができたのであろう。

それまでは可能な限りスズメに接近し、寄りの写真ばかり好んで撮ってきたが、スズメの写真を風景と交わらせ美しく撮ろうとハッキリ意識したのは、この写真が『あした、どこかで。』(2015年)で世に出てからで、かなり思い出深い一枚と言える。

文・写真:うえだこうじ

撮影同日の別カット

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