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写真で振り返る『あした、どこかで。』#02


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絵本のようなスズメ写真集『あした、どこかで。』
NIKON D7100 AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6G ED VR
f/ 8 1/2500 ISO640

シリーズ第2話

前回より始まった、私うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画

“写真で振り返る『あした、どこかで。』”

今回は裏表紙について、撮影秘話や思い出などを書き綴る。


1st写真集の裏表紙~これがスズメ写真撮影の極意!? ~

この写真が撮影されたのは2014年3月31日。

まだスズメ写真集『あした、どこかで。』の企画が持ち上がる前。

場所はたしか大手町〜有楽町あたりのちょっとした広場のようなところだったと記憶する。

開花宣言から満開までが早かった年だ。

あの時は、桜見物は混雑するから本気モードではなく、あくまで見物客としていこうとNikonD7100(DX)に18-300の手軽な高倍率ズームだけを持って出た。

それでもRAW(カメラ内部で画像処理をしていない高品位の画像データ)で撮っているのは「諦めきれない何か」なのかもしれないが(笑)

お気軽のはずが一応RAWで撮影しているところがなんとも…(汗)

とにかく写真のことは脇において、桜散歩を楽しんだ。

ちょうどお昼ご飯の時間でもあったので、ゆっくり食事をして食後にベンチでのんびりしていたら…

近くにスズメがいた

大手町とか有楽町あたりは都会の真ん中にも関わらず割とスズメがいる。とはいえ馴れ馴れしい感じはなく人間には一定の警戒心をもっている。

でも◯◯を狙っている

スズメは人がもたらす「何か」を期待する生物。彼らは目の前のことをしながらも、ベンチで休む私たちにも関心を寄せている。

一緒に桜見物に来たさえぐささんは、早くからスズメの存在に気づいていて、スズメが徐々に近づいて来ていることを知っていた。

「ほら、花壇から覗いてる(笑)」

そう言われ見てみると、確かに花壇から一羽のスズメがこちらを見ている。

なんて可愛い光景だろう!!!

しかし、この時一瞬後悔した。

ちゃんとした装備を持ってくれば良かった。

でもそれは仕方のないこと。

とにかく頑張った…。

この時点から急遽本気モードでやるだけやったのが、この裏表紙使われた写真。

さらに別カットが中面にも収められている。

望んでもなかなか出会うことができない絶好のシーンというのは得てして「気を抜いている時」に訪れるものである。

私自身「無関心戦法」はスズメ写真に有効だと常々いっているわけで、思えばこの日は初っ端から気を抜きっぱなしだったから、究極奥義が自動的に炸裂してしまったのかもしれない(笑)

写真については、難しく言えばそれなりに悔いはあるが、あんなに可愛いシーンに出会えたことには大満足だった。

実際あの日以来、同じような光景に出会っていない。大いに勉強になった。

ところで、『あした、どこかで。』の裏表紙。実はこれも表紙同様に終盤まで写真を決めることができなかった。

というか裏表紙については話し合っていなかった。

でも私は密かに河津桜とスズメの写真を裏表紙の候補として隠し持っていたので、制作終盤に裏表紙の話が出た時、さえぐささんに写真を見せて「どう?」と聞いてみた。

とっておきだったのに結果は薄いリアクション。個人的にはいい写真だと思ったのだが何故かピンとこないらしい。

その後、あれはどちらから言い出したのか…。

花壇からこちらを覗くスズメの写真あったじゃない? それにしよう。と、過去の写真から発掘。

写真を見て2人で笑ったのは、本当に良い思い出。

この写真は「みんなをちょっぴり笑顔にする」と確信できた。

文・写真:うえだこうじ

撮影同日の別カット

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作品名『花と歌う』

「チュリッ、チュチッ」 人が足早に通り過ぎるだけの都会の小さな空間。

スズメの声に誘われ足を踏み入れると、かすかに高貴な香りが漂ってきた。

そこにあったのは、香りがほとんどしないといわれるキモッコウバラ。

大きく息を吸い込むと不思議と周囲の雑音が消え、穏やかな気分になった。

すると目の前に一羽のスズメが…

「この匂い、わかるの?」

一瞬そんな顔をして茂みの中へ入っていったズスメは再び周囲に響き渡る声で歌い始めた。

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必ずお読みください:写真作品はすべて受注生産ですので、ご注文頂いてから発送まで通常2週間程度お時間を頂戴いたします。予めご了承くださいませ。 (※政府の緊急事態宣言を受けて製造元が生産量を制限して稼働しているため、通常より配送が遅れる場合がございます。ご注文後、お届けまでのおおよその目安をお伝えいたします)

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写真で振り返る『あした、どこかで。』#01


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あした、どこかで。の表紙写真
NIKON D7100 AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
f/ 6.3 1/1000 ISO320

シリーズ第1話

1st写真集の表紙 『あした、どこかで。』誕生の瞬間

2015年3月初頭。河津桜も咲き揃い空気も幾分温かくなってきた。

この頃の私は「スズメをより生き生きと撮るには?」という課題を胸に日々馴染みの子たちがいる公園に通い詰めていた。

近づきたいけど、近づき過ぎはいけない。カメラの音もできるだけさせないように…と、あれこれ制限を設けながらの撮影は大変だ。

でもレンズ越しにスズメの元気な姿を見ることは、撮影する以上に私にとって癒しの時間なので、嫌になるということは一切なかった。

早朝から撮影を開始し時刻は午前9時を過ぎ。

私はこの時間帯が一番好きだ。何より人出が減り辺りが静かになる。

頂点まで上りきらない太陽の位置も良い。

気のせいかもしれないが、スズメもこの時間はリラックスしているように感じることが多い。

それでもそんな中に人間がドタバタ入っていけば、当然スズメは緊張するし逃げもする。

なので場の雰囲気を壊さないようにソロリソロリ慎重にスズメが集う場所に接近する。

一番うまいやり方は無関心を装い、近くにベンチがあればそれに座ってしばらく何もしないこと。

無関心な人間に対してはあまり警戒心を高めないし、ともすれば大胆に近づいてくることもある。

ただ“無関心な人”を演じるのは難しい。本当はチョー関心をもっているのだから(笑)

この「無関心戦法」は失敗したり成功したりと、まだ確立された“技”ではないが私は日々その技を磨いている。

スズメが近づいてきた!

といってもまだ4、5メートルは離れている。

このまま撮影することも可能だが、せめてあと1、2メートルほどは近づきたい。

しかしまずは撮りはぐりのないようこの位置からスズメ撮ろう。ここでスズメに許されれば近づくのも容易になるし…と撮影を開始。

順調だ。

次は“あちら”が近づいてくるか“こちら”が近づくか、だが近づいてこない…(汗)

ならばこちらから!!! と、こんなやりとりをいつもやっている。

最初のスズメ写真集『あした、どこかで。』の表紙の子が撮れたのも、まさにこんなやりとりの中でだった。

明るく弾む気持ちを表すように、ピョンと片足を上げた可愛らしいポーズ。そして、ちょっととぼけたような…それでいて自信たっぷりの表情。

明日への希望がテーマの『あした、どこかで。』の表紙に相応しい一枚はこれしかない!

そう思ってデータをさえぐささんに見せたところ、一目で気に入ってくれた。

元々別の写真を仮の表紙にしていたが、この写真を見せたら即採用だった。

以前別の提案をした時は、凍えながら撮影したにも関わらず却下されたので私もとても嬉しかった。

さえぐささん曰く、“足もとはセメント、背景は緑。本当になんてことない「その辺」の写真っていうのもコンセプトに合っているし、片足を上げたポーズのレア感も良い”と。

あの時の彼女の会心の笑顔は忘れられない。

これで本の顔が決まり世に出るための準備ができた! まさに『あした、どこかで。』誕生の瞬間である。

文・写真:うえだこうじ

撮影日のできごと

ジョウビタキ
まだジョウビタキ(♀)がいた。私はこの辺りにある彼女の縄張りを熟知していたので、割とたくさん撮らせてもらったことを思い出した。しかし彼女からしたらとても迷惑だっただろう(笑)
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厄をついばむ“雀神”を飾ろう


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六羽の雀神が願いを叶える。きらきらすずめ「六六だちゅん!」

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必ずお読みください▶写真の色は掲載写真と若干違う場合がございます。また、作品はすべて受注生産ですのでご注文頂いてから発送まで通常2週間程度お時間を頂戴いたします。予めご了承くださいませ。

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お得なフォーチュンセット


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きらきらすずめ「フォーチュンセット(慈愛・希望・信頼・幸運)」

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実は牛の話だった・・・!?『あした、どこかで。3』その3


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こんにちは、さえぐさはなえです。

最後は「もの差し」を変えて「本当の自分」に出会うことについてお話ししたいと思います。

『あした、どこかで。3』では「失う苦しみ」をテーマにしているとあとがきで書きましたが、どうして苦しいのかというと自分がこうであって欲しいと思うことが叶わなくなった時に、どうしても受入れ難くなって苦しみに変わるのだと思います。

けれどもし、花を見ている間だけが幸せだとしたら、花が散ってしまったら不幸ということにになってしまいますよね。

でも花を愛でる心は・・・? 大切にしてさえいれば、どこにも行きません。

だからこそ再び花にめぐり会った時、いえ、思い出しただけで、何度でも幸せになれるのではないでしょうか。

心は自分の中にあって、誰にも奪われないものです。

「花がきれいだから好き」なのではなく、「花が好きだからきれい」と感じられるのだと思考を切替えてみましょう。

そうすると、幸せは「花のきれい度合い」で決まるのではなく、「花の好き度合い」で決まるので、好き度合いを高めるほどに花は楽しめるのです。

そして何よりも「花を好きな自分」はどこにも行きません。

花を好きな自分の心を大切にして生きていけば、いつでも幸せに出会えるし、新しい出会いの中でより豊かな人生を歩めるでしょう。

これが私の辿りついた『十牛図』の「六、帰牛帰家(きぎゅうきか)」=真の自己と再び一つになる、辺りまでです。

あと4枚の絵はさらに高度です。

残り4枚と照らし合わせてみると、もしかすると次のagainではいいセン行ってるかもしれないとは思うのですが、特に意識して作った訳ではないので、『十牛図』のお話はここでおしまいにします。

よかったら皆さんも『十牛図』を見てみてください。面白いですよ。

さて「本当の自分」を見つけたスズメはいつもと変わらない日常の中で、何に出会ったのでしょうか。

答えは最後のページにあります。

“どこにいるの?” “ここにいるよ!” 常識にとらわれずに文字を自由にレイアウトしたシーンの一つ。
ここでは「足もとからする声」をイメージしました。
“ここにいるよ!” あえて「そばにいる」のではなく「ここにいる」という表現を使う必要がありました。
飛び込むスズメの向かう先は・・・? そう、あなたの胸の中。二つではなく一つになるのです。
うえださんが最高の写真を当ててくれました。
本の真ん中あたりにある、一斉に飛び立つスズメの写真。
自ら心にフィルターをかけてしまっているスズメは、皆が自分を置いて行ってしまうように見えます。
あとがきの後にある、一斉に飛び立つスズメの写真。自らの心のフィルターを取り除いた後、どう見えるでしょうか。「さぁ、いっしょに飛び立とう」と言っているように見えませんか? そんな願いを込めたシーンです。
お話の最後から一つ前のシーン。よく見るとスズメとスズメの間に少し空いているところがありますね。
ここは「あなたのためのスペースですよ」というメッセージです。
一つのものを二つに分けて、確かな一つになったら今度はまた仲間のもとへとかえっていくのです。

おわり

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実は牛の話だった・・・!?『あした、どこかで。3』その2


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こんにちは、さえぐさはなえです。

今回は私が引き込まれた『十牛図』を手がかりに、スズメがどのようにして「本当の自分」に出会っていくのかをお話ししていきたいと思います。

『十牛図』は禅の教えで、修行の段階を10の絵と詩で表したものです。

それは「一、尋牛(じんぎゅう)」という、牛がいなくなったと思った男が牛を探しに行く絵から始まります。

牛は「真の自己」を置き換えたものです。本来、どこにも行きようのない自分を見失ったと思って探しに行くんですね。

『あした、どこかで。3』では、スズメは自分を幸せにしてくれていた「何か」をなくした思い、旅をしながら「あなたは私の探しているものですか?」と尋ねます。

本当は「自分」を探しているのですから当然、相手からは「違いますよ」という答えが返ってきます。

でもスズメにはその認識がないので、もう見つからないと思ってがっかりしてしまうのです。

側から見ると滑稽かもしれませんが、光と鏡がなければ自分の顔を見られないように、人間はいつも何か外的な要素と照らし合わせて自分を見ているものです。

だから自分を見失ったと思うような時は、外的な要素によって思い込みや偏執といった何らかのバイアスがかかっていて、「自分が思う自分」と「本当の自分」との間に齟齬が起こっている状態なのではないかと私は考えます。

それは「世間の常識」とか「地位」「お金」など一見まともそうな知識でできた「もの差し」で測った結果生まれるのではないでしょうか。

『あした、どこかで。3』はそのバイアスを取り除いて、本当の自分に出会う旅のお話です。

ただ、このバイアスというのがどうにも厄介で、自分を過大評価する方向にも、過小評価する方向にも作用して私たちを迷わせます。

もし過大評価で勘違いしているなら「おめでたい人」ですし、過小評価で萎縮しているなら「もったいない人」で、いずれも「幸せな人」とは言えませんね。

どうも「本当の幸せ」を得るためには外的な要素による「もの差し」に左右されない「本当の自分」を確立させておく必要がありそうです。

お話の中でスズメが問答する動植物は、作者側が意図的に選んだものです。

サクラは散る、アジサイは色が変わる、イチョウは落葉する、タンポポは綿毛になる、ジョウビタキは渡り鳥。

そう、いずれも移り変わりがハッキリしているものたちです。

前回「諸行無常」でお話しした通り、周囲の環境は移り変わるもの。

それに合わせて一喜一憂していては身が持ちませんので、あえてわかりやすいものを選びました。

水鏡に映るものは…
“地味だけど” 自分を泥水に映して見れば、当然土色に見えますよね。
綺麗な羽ですね
“きれいで” でも違う角度から見たら?気がつかないだけで、本当は綺麗かもしれませんよ。

つづく

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お手紙のご紹介 〜あした、どこかで。〜

お客様からのお手紙をご紹介いたします

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こんにちは❣️
今回も店長むすびに代わりまして、さえぐさはなえがお届けします。

以前、こちらのニュースでも『あした、どこかで。』シリーズはバードカービングの参考資料として使って頂いていることをご紹介しましたが、今回はカービングをされているお客様からのお手紙をご紹介したいと思います。
(ちなみに写真のスズメは市販のチュンチュン鳴くフィギュアです)

《お手紙より一部抜粋》

〜まず驚きましたのは、三枝様がいかにこの本を愛し大切に思われているかが分かったことです。
一冊一冊丁寧に包装され可愛いシールを目にした時は、今時まだこんな若い方がいらっしゃるのかと感激致しました。

身近な雀がこんな素晴らしい写真になって、いつでも目にする事ができるなんて、想像以上です。
本を開くとチュンチュンと鳴き声が聞こえてくるようです。

(中略)

きっと〝あした、どこかで〟は私のストレスを解消してくれることでしょう。写真えほん というよりは 写真詩集といえると思います。

本当に良い本と出会えたことに感謝致します〜

ありがとうございます

お電話を作者自ら受け、ご注文商品を1冊ずつ検品し個包装にして発送するなんて普通はないことなのかもしれませんが、aliveは世界一小さな出版社ですので、心をこめて本人が応対させて頂いております。

そのため本を子供のように大事にしていることはもちろんなのですが、同時に送り出すものでもあるので、できるだけ気に入って可愛がって頂けるようにと、つい熱が入ります。

私が封を閉じた後、最初に開けるのは読者様なので開けた時の笑顔を想像しながら品質と遊び心、幸運のお祈りを込めて送り出しております。

写真は年々技術を上げていっておりますので、カービングのお供として、また実際には触れることのできないスズメの羽毛や顔の細部までじっくりとご覧頂き、癒やしの友としてお傍において頂けましたら幸いです。

『あした、どこかで。』はライトなストーリー仕立ての「写真えほん」として誕生しましたが、文や展開は回を追うごとにより繊細になって参りましたので、「写真詩集」と言って頂けたことはたいへん光栄で励みになります。これからも精進して参ります。

もし『あした、どこかで。』シリーズをまだパート1しか持っていないという方、ぜひ「パート2」を、2までという方はぜひ「パート3」をお求めください。

作者の成長と共に進化してきたおすすめの本です。

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実は牛の話だった・・・!?『あした、どこかで。3』その1


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こんにちは!さえぐさはなえです。
今回は『あした、どこかで。3』で、私が密かに挑戦していたもう一つのテーマについてお話したいと思います。

なんでいつも密かになのか、って?(笑)
それは全部話してしまうと読んだ人が謎解きをする面白さがなくなってしまうからなんですね。
自分なりに読み解いて頂いて、「あっ、これってこういうことかも!?」と楽しんで頂けたら嬉しいなと思い、様々な仕掛けを密かに施してあるのが『あした、どこかで。』シリーズです。

それでもパート3ではうえださんから「わかってもらえなければ意味がないから、解説を入れなさい」との命を受け入れさせて頂いていたのですが、まだ隠し球をとっておいたのですョ・・フフフ。(ΦωΦ)キラーン+.

発売から日が経ちましたのでここでこうしてお話しさせて頂くことで、また別の味わいを感じて頂けるよい機会になりましたら幸いです。

一冊で何度でも美味しい『あした、どこかで。』をよろしくお願い致します。

さてパート3を読んだことのある皆さんは、メーテルリンクの名作「青い鳥」を連想した方も少なくないと思います。
鳥の本ですし、内容的には私が挑戦したものと重なるところもあるのでそれでも大変光栄なのですが

実は着想を得た題材は「鳥」ではなく…

「牛」を探しにいくお話だったのです…! 

十牛図に着想を得た「あした、どこかで。3」
悟りにいたる十の段階を十枚の図と詩で表した「十牛図」がヒントとなって書き始めたパート3

えええぇえ~っ!な、なんだってぇえ~!?(笑)
イヤイヤ、驚きました? 気づいた方、いらっしゃいましたでしょうか。

前回までの『あした、どこかで。2』の解説で、「私は仕事で仏教に触れることがあった」とお話しましたが、お客様(お寺)の話していることを理解したり、それを一般の方にわかりやすく伝えるために、私はいろいろな本を読みました。

仕事の方向性としては終活というところにも関わっておりましたので、終末医療に関わるお医者様の本や、時にはキリスト教の教え、中学生の頃にかかっていたお医者様がくださった『後世への最大遺物』という本を改めて買って読み直したりもしてみました。

仏教は広く浅く何でも読みましたが、中でも『十牛図』というものに触れた時、とても引き込まれました。

ちょっと昔『自分探しの旅』という言葉が流行って巷でもよく見かけましたね。それまでの人生を振り返って、このままでいいのかと考える…だいたい中年くらいになるとなぜかそこに陥る人が増えてくる不思議な現象です。

もしかすると「大人の反抗期」かもしれません。

その頃の方々の『自分探しの旅』を観察していると、リアルに旅をしてまたもとの人生に帰っていく方もいましたし、一念発起して脱サラしたり転職したりする方もいたようです。

一時期あまりにも気軽に『自分探しの旅』と言うので、言葉の価値そのものまで下がってしまったような印象がありますが、本来は精神の成長を促す「心の旅」を指していたのではないでしょうか。

『十牛図』はまさに、千年くらい前のお坊さんが遺してくれた『自分探しの旅』の手引書といっていいものです。中年の私はちょうどそこにハマってしまったのかもしれません。

“探していたのは「わたし」でしょ?”
心に語りかける不思議な声に誘われて知る衝撃の事実。「目の中に映る自分」という象徴的な写真をうえださんにお願いしたら、素晴らしい一枚を撮ってきてくれました。

つづく

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さえぐさはなえが語る『あした、どこかで。2』その4


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こんにちは、さえぐさはなえです。

今回は私が作中で密かに挑戦していたテーマ『諸行無常』について、最後の解説になります。

ここで一番大切なのは『諸行無常』を知って、さぁどうする?ということです。

「形あるものはすべて壊れる」という意味ですから、もう何もしないという選択もあり得るわけです。だって馬鹿馬鹿しいですよね。努力なんて無駄みたいにも思えてきます。

ここで白状してしまいますが、私は元来かなり無気力な人間です。用事がなければ朝起きることすら面倒な人です。

不安で眠れないことがあっても、何かが楽しみでワクワクして眠れなかったなんていう経験は、一度もしたことがありません。

そんな私でも、眠るのがもったいなくて朝まで起きてしまっていたことならあります。

ちょっと救いがありますね。

どうして?

それは単純に楽しかったから、うれしかったから。

考え方としては、これでいいんじゃないかと思います。

人間はどんなに起きていたくても、必ず眠る生き物です。

死という永遠の眠りが訪れるまで、それまでの間を何か道草しながら思い切り楽しんだほうがいいということなのかな、と今のところ思っています。

ただ、生き物って知らず知らずの間にも必ず周りの誰かと関係しながら生きているものなので、あまりに我欲に沿った生き方をしていると、誰かを不幸にしてしまっているかもしれません。

まずは自分の身近なものから大切にして生きていくことが、より“質の高い”幸せが得られる秘訣なのではないでしょうか。

さて、実りの世界に来たスズメは、ごほうびをたくさん頬張ります。

初めて見るごちそうに戸惑いながらも、食べ方を見つけて味わうスズメ。

その姿を「たくさん食べるんだよ」と見守るスズメ。

このスズメは、これから先にまた険しい道があることを知っています。

中には耐えられずに死んでしまうスズメがいるかもしれません。

ここでしっかり栄養をつけて力を蓄えておいてほしいという目で見ているのです。

だからこそ、幸せは感じられる時に思いきり享受しておいたほうがいいのかなと思います。

ごはんが豊富にある最高の環境に、スズメは「ずっとここに、いれたらいいな。」と願います。

しかしそんな願いも虚しく、たちまち厳しい冬がやって来てしまいました。

寒くて凍えそうで心細かったところに、同じく寒さに耐えるスズメが駆け寄って来てくれます。

「いっしょにあったまろうよ。」

寒さの中、ほんの少しのあたたかさを分け合う仲間。

身を寄せ合って風を避けたり、ジョークを言って笑わせたり、雪をつついてご飯を探したり、冒険したり…。

頭を雪で濡らしながらも、駆け寄ってきてくれた大切な友達。

そんな風に仲間と一緒に過ごしていくうちに、冷たくてただ辛いだけだった雪も気がつけばなんだか楽しいものに変わっていました。

スズメは辛いことがあっても勇気をもって少しずつ前に進む中で、地上にある「おひさま」を見つけたのです。

おわり

どうやら、スズメは何か見つけた(気づいた)ようです。

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