

福井県の民話に「すずめの瓢箪」という話があります。
この話は、貧しい老夫婦が怪我をしてしまった雀を助けてやったところ、快癒した雀がお礼に瓢箪の種をくれ、その種を育てたところ瓢箪の実からお米がザクザク出てきた、というもの。
この民話に因んで、福井県のアンテナショップでは「すずめひょうたん」というおむすびを販売しているそうです。
ところでこの民話、調べてみるとやはり似たような話が各地にありました。
少し例をあげると、福島県では「お米だけでなくお金もザクザク出てくる」というものだったり、鳥取県では「米と炭が出てくる」という物もありました。
老夫婦という設定も、単身のお婆さんだけ登場するという話もありました。
さらに『ただ優しい人が雀を助けたら恩返しをしてもらった』というだけではなく、近所に住む悪い人が出てきます。
この悪い人は怪我をした雀がいないからといって、わざと雀に怪我をさせ『治療したから恩返しをしろ』と言います。
当然ひどい罰をを受けることになるのですが、結局のところ、
「雀に良くすると家は栄える」
「雀は善人と悪人を見分ける」
「雀は恩返しもするし復讐もする」
という話が大筋のようです。
しかしどれも瓢箪からお米が出てくるという設定は一緒でしたので、元の話があるのでは? と思い少々調べると、宇治拾遺物語の「腰折れ雀」という話が出てきました。
この話のあらすじを読むと“あぁ”となります。
宇治拾遺物語は鎌倉初期くらいに成立したものですから「腰折れ雀」という話は、少なくとも800年は昔の話ということになりますね。
それにしても各地の民話と比べて悪い人に徹底して罰を加える点は流石だな、と思いました。
民話とか昔話って、現代の世に伝わっているものは、万人受けする“やわらかいテイスト”に変わっていますが、原点と辿るとかなり苛烈な内容なものが多いですよね。まぁ、小さな雀にわざと怪我をさせ、治したから恩返しをしろって…(汗)
ひどい仕打ちを受けるのも当然ですね。
弱きもの小さきものを本心から助け、報われることなど望みもしなかったところに発生する奇跡。
奇跡はおまけみたいなモノです。
それにしても、雀が登場する民話や昔話にはこのパターンが多いですね。
やはり伝説の鳥『鳳凰の雛』なのかな?

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