

以前このブログで「スズメは成長すると鳳凰になる」という古い言い伝えがあると書きました。
言い伝えによると、鳳凰は人の性格を見定め親切な人々を祝福する鳥といい、その“雛”であるスズメも同様の能力をもつとされています。
今回もそんなお話。
昔、ある村に貧乏だけれども正直者の老夫婦がいました。
ある日、山仕事から家に帰ろうと歩いていると、竹やぶにスズメが集まっているのを見つけました。
可愛いスズメたちが一体何をしているのか気になった老夫婦は、竹やぶをそっと覗いてみました。
竹やぶの中ではスズメの群れが酒樽を囲んで宴会の真っ最中!
それには老夫婦もびっくり。
しばらくするとスズメが自らやってきて
「このお酒を飲むと運が良くなるよ」
といって酒をすすめてきた。
老夫婦はすすめられるがままに酒を飲んだが、これがとても美味い!
すっかり元気になった老夫婦は、スズメと共に飲めや踊れやの大宴会。
とても楽しい時間を過ごしました。
いったいどんなお酒だったんでしょうね〜
宴会も終わりお礼を言って家に帰ると、老夫婦は村人にその話をしました。
その中に怠け者の村人がいて、話を聞くと早速竹やぶへ。
男はスズメたちを見つけると
「その酒を俺にもくれ」といいました。
するとスズメたちは「人間がこの酒を飲むとスズメになってしまうよ」「やめたほうがいいよ」と忠告します。
しかし怠け者の男は強引に酒を奪い飲んでしまいました。
すると男の体はみるみる縮みスズメになったあげく、群れからも追われどこかへ飛んでいってしまいました。
いっぽう老夫婦は、“すずめ酒”を飲んだあと運がどんどんよくなり、幸福に暮らしたそうです。
〜おしまい〜

この話、調べたところ千葉県や和歌山県に(設定など細かい部分に違いはありますが)同じ趣旨の話が伝わっているようです。
老夫婦には「運が良くなる」といい、怠け者には「やめたほうがいいよ」と忠告する。
同じ酒なのになぜ?
これは「スズメが人を見定める」という“鳳凰の雛”の言い伝えに通じるような気がしました。
それにしてもスズメの酒盛り、参加してみたいものですね。

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最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m


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