

スズメが桜の蜜を吸う「吸蜜」という行動
俗に「盗蜜」なんて言われますよね。
「盗蜜」という言葉は「昆虫や鳥などの動物が受粉を行わず花蜜のみを奪う行為」のことを言うそうです。桜の蜜を吸うスズメも基本的に受粉に貢献せず蜜を飲むので、その行為はやはり「盗蜜」なんですが(あまりこの言葉は好きではありません…)それ以上に吸蜜の際にお花を千切って落としてしまうことで「悪い子だ」という印象がついているのではないか? と心配していました。
しかしながらスズメによる盗蜜被害数は、全体として軽微なんじゃないかな? と三上修先生らによって(推定ですが)報告されています(スズメの盗蜜によるサクラへの害を定量化する方法)。
もっとも、あまり心配せずともスズメのこの行為を可愛らしいと好意的に受け止めてくださる方が多いようで、なんというか…ヒトとスズメはやはり近しい存在だなぁと安心しました。

上の写真はスズメが桜の花の蜜を吸った後お花を千切って落としたものを撮影したのですが、花びらの下というか後ろというか…「萼筒部」というそうなのですが、そこに喰い破った痕跡がありました。
スズメがどうして萼筒部あたりをかじって蜜を吸うのかというと、花の蜜を前方から吸うのに適していない嘴の形状だからだそうです。
スズメは雑食なので、桜の花の蜜を吸うのは本当は苦手なら、何もそこまでして蜜を飲まなくても良いのでは? なんて思うこともままあります。
しかし江戸時代にはスズメが桜の蜜を吸っていたという記録があるそうで、ある意味スズメにとっては美味しい味で、仄かに甘い「旬の味覚」なのかもしれませんね。
ヒトのそばに暮らすスズメはグルメなのかもしれません。

ところで、スズメは無造作に桜の花の後ろからブチッと千切って荒っぽく蜜を飲んでるだけとお思いの方も多いかもしれませんが、千鳥ヶ淵の公園でスズメを観察していた時、あるスズメが萼筒にキズをつけ、引き千切らずに蜜を吸いその蜜を数羽でシェアし、最後の最後にあたった子がブチッと引きちぎって残りをラッパ飲みするという行動を見ました。
この行動が定番なのかどうかは分かりませんが、スズメの盗蜜被害が軽微であろうという推測と、私の拙い観察による発見(?)を踏まえ…
まぁ、スズメの吸蜜行動はとりあえず「カワイイ」がファイナルアンサーでいいような気がします。


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