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シリーズ第11話
私うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について振り返る新企画
“写真で振り返る『あした、どこかで。』”
11話目は、2016年9月発売となった『あした、どこかで。2』に掲載されたこの写真を撮影した日のエピソードやその思い入れなどを記録と記憶を辿って語っていきたい。
秋が教えてくれたもの
私が住む東京都のシンボルはイチョウ。
だからだと思うが、イチョウの木があちこちにある。
毎年決まっているわけではないけれど、十月中旬ともなるとイチョウの葉は黄色く染まり、辺りの景色に彩りを添える。
秋は美しい。
赤や黄色に染まった葉は役目を果たした誇らしげな姿。
そしてそれは散る前に見せる最後の輝き。
「このままだったらいいのにな。」
つい妄想を抱いてしまう。
しかり季節は次のターンに向け確実に変化をしている。
黄葉の向こうに青く高い空を見上げた時、一羽のスズメがやってきた。
スズメはイチョウの枝にとまり、何を考えていたのだろう。
空想を巡らせる。
やっぱり、私と一緒なんじゃないか?
美しく実りある季節よ永遠に続け…
そうに違いないと思った。
このエピソードは『あした、どこかで。2』に巧みに反映された。
作者であるさえぐさはなえさんも物語を進行していく中で、私に近い思いを抱いたようだ。
そしてこの言葉が生まれた。
ずっとここに
いれたらいいな。
既に『あした、どこかで。2』をお読みになった方は、この後どう展開するかご存知だと思う。
やはり無常だ。
しかし現実は無常であるが、その時々で得た素晴らしい出来事は、記憶に刻み込まれ心に常住することだろう。
それはきっと、スズメも同じなのではないだろうか…
写真で振り返る『あした、どこかで。2』は今回で終わりです。
次回#12からは『あした、どこかで。3』について写真と共に振り返っていきたいと思います。
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