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シリーズ第4話
私うえだこうじが『あした、どこかで。』に採用された写真について語る新企画
“写真で振り返る『あした、どこかで。』”
4話目は、秋雨が降る中で撮影したこの一枚(トップ画像)。ベンチの背もたれに止まったスズメが作中で語った言葉「こんな雨の日まできたの?」の裏話を当時の記憶と記録を辿りながら語っていきたい。
ハプニングは絆を深める
絶好のチャンス!?
この写真が撮影されたのは2014年10月13日月曜日のこと。前日はイベントがあったらしく、いつもの場所が少々荒れていたような記憶がある。
雨は基本的に小降りだったが、時折強くも降った。
撮影環境として雨の日は決して良いとは言えない。しかし雨のムードというのは好きで、スズメの撮影を始める以前から雨が降るとウキウキした。
でも当時は雨具などの防雨装備は傘くらいしか使っておらず、その傘も撮影中は畳んでしまうので、頭のてっぺんから爪先までずぶ濡れになるのが常だった(今はレインコートや雨に強いブーツを使っている)。
…!
おっと、長くなりそうなので(汗)雨の日の装備についてはまた別の機会ということで、話を進めていきたい。
撮影同日の別カット
(右)スズメの目線てどんなだろうって考えたくて撮ったのか?
さて、雨の月曜日。
本来なら休日の喧騒から一転して静かな場所となるはずだった。しかも雨の日だ。
しかしどうも騒がしい。何が?と言えばスズメがである。
いつもの場所で警戒音を鳴らすスズメたち。というよりも「木」が鳴いているような状態…。
スズメは様々な木々に隠れ鳴いているのだ。
何事かと思ったが状況は不明。私の姿を見てとりあえず顔を出すスズメもいた。
出てきた子たちを撮りながら歩みを進めると、なぜ騒いでいるのかが分かった。
タカだ。タカが飛んでいる!
びっくりしたが、よく見るとそのタカは鷹匠さんが訓練のためか何かで連れて来た子だった。
しかしスズメたちにはそんなこと関係ないのだろう。
とにかく警戒音の大合唱。
スズメは外敵から身を守るために人間をうまく利用する、と言われている。
少々馴染みとなっている私(人間)を利用しようと思ったのか、木々をつたって追ってくる子もいた。
こんなハプニングは滅多にない。ここで存在を印象付けられれば今後さらに…とヘンテコな野心が芽生え、私は撮影を止めスズメのための防衛ラインになろうと思いついた。
しかしどうすれば?
考えついたのは、ただそこに大人しくいること。しかも自然にゆっくり動きながら。
いつも通りということだ(汗)
こうしてしばらくタカ&鷹匠さんvsスズメ&すずめおじさんという図式で時を過ごした。
しばらくして…
鷹匠さんがその場所を去り、スズメたちも静かになった。どこかへいく子も増えてきた。
さて、濡れて寒くなってしまったが、私も撮影再開。
「スズメが鳴く木」を去り広場の方へ。そこにはベンチがあるので
ちょっと座ろうと思った。
まだ私を追ってくる子たちがいることが目の端で分かった。といっても犬が追いかけてくるような感じでなく、遠巻きにしている感じだ。
さてベンチのそばまで来たが、そのときふと思った。
お尻が濡れる!
雨具なしですでにずぶ濡れではあるが、お尻周りは死守していた。ここでベンチに座ればそこも浸水、どうするか…
と逡巡していると、遠巻きに私を追ってきたと思われる数羽のスズメたちがフワッと現れ、ベンチの背もたれにとまった。
スズメは何しに来たのか?
見たところ安心しているようにも見えない。
でもこっちをみている。警戒されたか? ではなぜ近づいてくるのか?
私はいつものようにそっと構え、そのスズメを撮った。
そのレンズ越しに
「こんな日まで来たのか? 物好きだねぇ」
という声が聞こえてきた。
私をどのような存在と見ているのか、その真実は分からない。
でも、ベンチの前で佇むずぶ濡れ状態の私を心配してくれたのでは? と思ったりする。
もしかしたら、タカの一件でスズメに利する行為をした(と思う)私への何らかの
好意的な意思表示なのか!?
スズメが背もたれに止まったせいもあるが、どちらにせよ私はベンチに座れず(笑)その横で立て膝になり写真を撮ることになった。膝から下は泥だらけになったが、
お尻は死守した(笑)
それは数分の出来事。すぐに彼らはどこかへ飛んで行った…
撮影同日の別カット
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