

こんにちは、さえぐさはなえです。
今回も『あした、どこかで。2』について、作家目線の解説にお付き合いください。
さて、突然夏の熱い日差しに照らされてしまい、思わず水に飛び込むスズメ。しかし水は泥水だったので汚れてしまいました。
それを見ていた他のスズメに思いっきり笑われてしまいます。

それでも汚れたスズメは「恥ずかしい」と萎縮せずに、シャワーをあびてスッキリいい笑顔です。
小馬鹿にされたことすら楽しさにかえて「エヘッ、きもちいいや」と笑うことができました。

でもすぐに風が吹いてきて怪しい気配。あっという間に雨です。
環境がすぐに変わってしまいスズメはちょっぴり不安になってしまいます。
けれどこの秋の雨が過ぎると待っていたのは実りの世界でした。

「やぁ、よく来たね。キミを待ってたんだよ」
これは私がどうしても入れたかった言葉です。
誰でもなく、“キミ”(あなた)である必要がありました。
私はこの作品を作った頃ちょうど、大人だって「褒められたい」のではないかという考えに至っていました。
子供はいいことをしたら褒めてもらえますが、歳を重ねた人ほど褒めてもらう機会がなかなかありません。
子供の頃には褒めてもらえたことが、だんだんと大人になるにつれ「あれをして当然」「これをして当たり前」になっていくからです。
だけど本当は「当たり前」って全然ラクじゃないんですよね。
大なり小なり誰かが何かをがんばって「当たり前」を作ってる。
花はがんばって咲いてる。
いつも綺麗な公園は、誰かが綺麗にしてるから綺麗。
いつもパリッときれいな服を着られるのは、自分や誰かがきちんと洗濯しているから。
だから母親でも、出会った人でも、私はなるべく「褒める」ように心がけていました。
病気と闘うことだってあるし、家事を支えるのだって家族のために働くのだって、がんばった分、労われたらそれだけで心が救われることってありますよね。
すると『あした、どこかで。2』で読者様から
「今誰かに言って欲しいと思う言葉が、必ずどこかのページに見つかりますよ。」
というレビューを頂戴することができました。
書いてくださった方の欲しかった言葉がこのシーンであったかどうかまではわかりませんが、伝えたかったことがしっかり届いたと思い、とても嬉しくなりました。
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最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m